馬場村塾(ばばそんじゅく)について

■成松一郎
私は学生時代から目白の街に長くお世話になってきましたが、その次によく出かけていったのは「高田馬場」だと思います。

高田馬場に日本点字図書館があることはよく知られていると思いますが、それ以外にも、桜雲会東京都盲人福祉協会(都盲協)などがあり、早稲田・大久保方面まで広げて考えれば、日本盲人会連合(日盲連)東京ヘレンケラー協会全国盲ろう者協会など、視覚障害に関係する施設が集まっている街でもあるのです。

視覚障害者自身が起業した会社の草分けであるアメディアは長く西早稲田に本社がありましたし(現在は練馬区に移転)、それ以外にも、ラビットアットイーズなど、視覚障害者向けの製品を開発したり、サービスを行っている企業が集まっています。

そんな「視覚障害者のまち・高田馬場」ですが、いつしか施設や団体、企業間のつながりは薄くなり、世代間の交流もなかなか持ちにくいという話をよく耳にしていました。

以前から桜雲会の甲賀金夫施設長と「高田馬場という土地にこだわって、新しくなにか企画ができないだろうか」と話し合っていたのですが、2015年4月から、月1回、最初は桜雲会の一室を使って、(現在は、高田馬場駅に近い新宿リサイクル活動センター会議室)ひっそりと「馬場村塾(ばばそんじゅく)」という集まりをスタートさせました。
(歴史好きな甲賀さんらしく、「松下村塾」になぞらえたネーミングです)

塾は、夜6時半からスタートし、最初は参加者が自己紹介をした後、夜7時ごろから、その日のプレゼンターが1時間限定でプレゼンを行います。その後約1時間にわたり、質疑応答や意見交換・情報交換を行い、夜9時に終了という流れです。(なんとその後、塾帰りの寄り道ということで、希望者による懇親会を約2時間やってます!)

参加者は毎回20名前後ですが、特徴としては、視覚障害当事者が6~7割をしめる(つまり、視覚障害者のほうが多数派)ということでしょうか。プレゼンターは毎回持ち回りにしていますので、講師という扱いではなく、参加費も講師謝礼もありません。

7月20日(木)の夜は、全国視覚障害教師の会代表であり、認定NPO法人タートルの活動もされている重田雅敏さんに、視覚に障害をもつことになった人が仕事を続けていくこと(あるいは新しく仕事を見つけること)を中心に、とても味わい深いプレゼンをしていただきました。

馬場村塾の内容は、常連メンバーである株式会社19(旧・アーチャレジー)の安藤将大さんが動画撮影および再編集をしてくれていて、プレゼンターの確認後、ユーチューブに適宜アップロードしています。
興味のある方は「馬場村塾」で検索してみてください。